医師にとって救急診療は極めて基本的かつ重要なもので,いつでも遭遇しうる救急患者に対応するための知識・技能は,すべての内科医にとって必須のものであることはいうまでもない.そこで,初期臨床研修においても,まずは一次救命処置(Basic Life Support:BLS)を指導でき,また二次救命処置(Advanced Life Support:ALS) ができることを目標とした研修が行われている. 昨年(2021年)初めて新・専門医制度における専門医が誕生したが,この内科専攻医カリキュラムにおいても内科系救急の経験を必須としているほか,JMECC(Japanese Medical Emergency Care Course)と呼ばれる救急講習会の受講も必須修了要件となっており,すべてのプログラムにおいて受講可能な体制が組まれている.JMECCは日本内科学会独自のプログラムであり,1日約9時間で修了できる.日本救急医学会策定の「ICLS(Immediate Cardiac Life Support)」を組み込み,さらに内科領域の救急の実際を念頭においたものとなっている. 本書「内科救急診療指針」は,救急委員会で作成され,上記JMECCにおける教科書として用いられてきたものである.このたび,日本蘇生協議会の蘇生ガイドライン改訂に伴い,また,2016年の改訂から約6年経過していることもあり,2022年版として改訂することとなった.「内科救急診療指針」2016年版から2022年版へのアップデートにおいては,内容のさらなる充実が図られ,多くの新たな項目を追加し,頁数もおよそ100頁以上増加している. 本書は基本的でありながら,最新の情報が詰まっており,すべての専攻医の学習に用いられるにふさわしい内容となっている.もちろん,ベテランの先生方にも手にとっていただき,是非とも最新の救急の基本情報を確認していただきたいと思う.本書により,内科医師が緊急事態にも自信をもって対応できるよう,救急対応能力のさらなる向上の助けとなることを期待したい.
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医師にとって救急診療は極めて基本的かつ重要なもので,いつでも遭遇しうる救急患者に対応するための知識・技能は,すべての内科医にとって必須のものであることはいうまでもない.そこで,初期臨床研修においても,まずは一次救命処置(Basic Life Support:BLS)を指導でき,また二次救命処置(Advanced Life Support:ALS) ができることを目標とした研修が行われている.
昨年(2021年)初めて新・専門医制度における専門医が誕生したが,この内科専攻医カリキュラムにおいても内科系救急の経験を必須としているほか,JMECC(Japanese Medical Emergency Care Course)と呼ばれる救急講習会の受講も必須修了要件となっており,すべてのプログラムにおいて受講可能な体制が組まれている.JMECCは日本内科学会独自のプログラムであり,1日約9時間で修了できる.日本救急医学会策定の「ICLS(Immediate Cardiac Life Support)」を組み込み,さらに内科領域の救急の実際を念頭においたものとなっている.
本書「内科救急診療指針」は,救急委員会で作成され,上記JMECCにおける教科書として用いられてきたものである.このたび,日本蘇生協議会の蘇生ガイドライン改訂に伴い,また,2016年の改訂から約6年経過していることもあり,2022年版として改訂することとなった.「内科救急診療指針」2016年版から2022年版へのアップデートにおいては,内容のさらなる充実が図られ,多くの新たな項目を追加し,頁数もおよそ100頁以上増加している.
本書は基本的でありながら,最新の情報が詰まっており,すべての専攻医の学習に用いられるにふさわしい内容となっている.もちろん,ベテランの先生方にも手にとっていただき,是非とも最新の救急の基本情報を確認していただきたいと思う.本書により,内科医師が緊急事態にも自信をもって対応できるよう,救急対応能力のさらなる向上の助けとなることを期待したい.
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